#011

dezaribo#011

京都市右京区

 今回のお客様も物件の購入からデザリボまで全てをお手伝いさせていただきました。
 当初のご要望ではがっつりとリノベーションしたいと思われておりましたので、その方向で物件探しをスタートしましたがお施主様がまたまた今回の物件をネットで見つけられ、立地を含めてご希望の地域とは違ったのですが大変気に入られたことなどからどうしてもこの物件を購入したいというご意向になられました。ですので当初の予定を変更して物件ありきで進めることにし、あとは予算の許す範囲でリノベーションからデザリボに切り替えて施工させていただくことになりました。
 当物件はマンションというよりほぼ団地の造りをしており、階層も5階建てでエレベーターがなく、室内を間仕切る壁もRCの躯体壁でとれない構造であることなど制約の多い造りとなっておりました。

 ではその物件をどのようにデザリボしたのかを具体的に説明していきます。まずお施主様のご要望として水周りは全て入れ替えたいというご意向でした。そしてキッチンはアイランドタイプでラフな感じでよいということ、また全体のイメージとして温かみのあるパリのアパルトマンのような空間にしたいというご要望でした。今回一番コストの掛かる水周りを全て取り替えることからその分の予算を計上しないといけないため、お施主様に思い切っていただき和室1室をそのまま手を加えずに残して使っていただくということにしました。またお施主様自らが壁面と天井部分の躯体に直張りのクロスを剥がしていただきコストカットをしていただきました。この直張りのクロスですが剥がすだけでよいのですが、実はこれがかなり大変な作業で職人泣かせなんです。それをお施主様おひとりでコツコツとお正月返上でやっていただけ大変助かりました。そして撮影時にはご覧の通りスケルトンのコンクリ状態のままですが、お引越し後にお施主様がご自身で壁面を塗装される予定です。

 このようにお施主様の多大なご協力もあり、ご希望予算でデザリボさせていただくことができました。また当初、床面は無垢のフローリングをご希望でしたがこれもコストを鑑み、お施主様に実際に使用されるイメージを膨らませていただき最終的にタイルカーペットを選択いただきました。そしてキッチンはいつもリボーンキューブでよく用いるステンレスよりもホーローなどの質感がお好きということで人造大理石の天板をチョイスいただき、それに合わせてレンジフードもホワイトにし、いつもはキッチン側面にタイルを張りますがコストカットの観点からモルタル仕上げで塗装してシンプルに仕上げさせていただきました。ただ床面はお施主様のたってのご要望もありテラコッタタイルを採用させていただきました。また収納もキッチンバックや玄関は当初、扉付きの家具でみておりましたがこれらもコストカットするために棚板だけにさせていただきました。またリビングとトイレ入口の建具も既存を利用して塗装し直すだけに留めコストカットさせていただきました。それから洗面台は既製品でシンプルなものをチョイスしていただき、その余ったコスト分トイレをタンクレスタイプにさせていただくことでコストバランスをとるようにさせていただきました。

 このようにしてデザインに響かない範囲でできる限りのコストカットを行い、ご希望予算に沿うカタチでデザリボさせていただくことができました。そしてこれらを融合して出来上がった空間が意外にメリハリのあるそれまでのデザリボ作品の中でもまた違った味のあるシンプルな空間に仕上がったのではないかと思います。そしてデザリボの新たな可能性を感じられるリボーンキューブのデザインエッセンスが効いたデザリボ作品に仕上がったと思っております。

物件要件

タイプ 戸建て
専有面積 63.14㎡(うち12m²除く)
デザインリフォーム費用 630万円
デザインリフォーム時期 2014年3月
デザインリフォーム期間 1.5ヶ月間
  • リフォーム前
  • デザインリフォーム後

施主様自らが壁面と天井部分の躯体に直張りのクロスを剥がし、コストカットされました

室内を間仕切る壁もRCの躯体壁でとれない構造であることなど、制約の多い構造の建物

キッチンは壁付タイプから対面型アイランドタイプへ変更

スケルトンのコンクリ壁は、お引越し後にお施主様自ら塗装される予定