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dezaribo#006

京都市右京区嵯峨野

 今回のお客様も物件の購入からデザリボまで全てをお手伝いさせていただきました。
 デザリボでもリノベーションでも物件次第でお考えいただく予定で物件を探しておりましたが、それでもなかなかご希望にあう物件が見つからない状態でした。またお施主様のご希望としてできるだけ早く住み替えたいとのことでしたので、範囲を広げて探させていただきました。そうしたところ今回の物件が見つかりました。
 物件をお施主様が気に入られたポイントですが、いくつかありますがまず前庭がありなおかつクルマがおけること、また裏庭もそこそこの広さがありガーデニングなどができそうなこと、そしてキッチンが出窓になっていることが主な理由でした。それらがポイントとなり当初お探しさせていただいたよりも若干予算オーバーではありましたがその分はデザリボで割り切ったデザインをすることでカバーさせていただくことにしました。やはり不動産と言う性質上、ご予算もありますので物件ありきで考えさせていただかないといけません。
 ですがそのような制約がある中でもデザインされた空間を造ることを可能にするのがデザリボでもあります。また今回の物件は基本的な改装が施された物件であったため、よりデザリボに向いていたと言うこともあります。なのでキッチンや便器などできるだけ使えるものは使いメリハリのあるデザリボをするカタチで進めさせていただきました。

 ゾーニングは基本的には既存の間取を踏襲しており、どうしても使い勝手が悪かった水回りを使いやすくする前提でその部分のみを変更させていただきました。それでは具体的な内容についてお話しをさせていただきます。
 まず外回りからご説明しますと、前面の花壇部分にあった石や植栽を取り除きブロックで殺風景な雰囲気を変えるために木製で柵を作りたいというご要望でしたので、少しかわいいイメージの柵を作り柔らかいイメージになるように設えました。花壇のところにはお施主様自身が植栽を植えられるということで後々イメージにあったお庭にされる予定です。
 裏庭(南庭)は花壇部分を残してウッドデッキを設え、表と同じように柵を作ることで裏庭というマイナスイメージを一新させました。また柵の間隔があいているのは柵部分にもお花などを飾っていただけるようにということからです。こちらもお施主様でいろいろなお花や植栽を植えられることでグッとイメージが変わることと思います。

 今回のお施主様のご要望が“レトロ感のあるおしゃれな空間”ということでそれに沿ったイメージのデザリボにさせていただきました。ですので内部について、玄関は元々の引き違い戸をお施主様に支給いただいたアンティークなドアに入替えレトロ感を醸し出すように設えました。
 それに伴い前面の外壁とサッシを塗り替え外観にも統一感を持たせました。また本来、サッシは入れ替えたいところでしたが予算がないこともあり、過去に使用し実績のあるアイアン塗料を塗ることでコストを抑えてイメージを変えるように致しました。
 次に基本的なゾーニングは変えていないため使う素材などで空間を変えるように考え、床には幅広のパインフローリングを張り、お施主様のイメージされる濃い目の床色に仕上させていただきました。そしてそれに合わせるように建具も一新し統一感をとるようにしました。

 次に水回りですが、トイレについては元々あった便器をそのまま使用し壁のクロスと床のPタイル、そしてペーパーホルダーなどの小物を変えることでイメージを一新しました。
 洗面と浴室は位置を入替え少しでも浴室を大きくとるように設え、洗面はお施主様支給の洗面台とミラーでレトロ感のある仕上がりになるように棚受け金具やタオル掛けなどをチョイスしました。
 そしてリビングは元々のキッチンはそのまま利用することにしてパインフローリングとクロスなどで統一感を出し、リビングからのウッドデッキをとることで広がりのある空間になるよう設えました。
 そして2階の主寝室は元々の和室のイメージを踏襲しながら使いやすくするため、床の間を収納に変更し畳からパインフローリングにし、使いやすさとと共にイメージの一新を図りました。
 またもう一方のお部屋は窓が多いため敢えて窓をなくし壁を作り落ち着きのある空間にしました。またお子さんの部屋と言うことで窓をなくしたところをサンメントで額縁のように設え少し遊び心を持たせしました。

 このようにしてコストを抑えながらもメリハリの効いたデザインリフォームをすることでお施主様のご希望である“レトロ感のあるおしゃれな空間”を造ることにしました。
 今回の一戸建デザリボも限られた予算内でデザインされた空間を、室内だけでなく外回りにまでおよび行なったよい事例となったのではないでしょうか。
 コストパフォーマンスの高いデザインされたリボーンキューブらしい空間に仕上がったと思っております。

物件要件

タイプ 戸建て
専有面積 1階47.93m² 2階33.12㎡
デザインリフォーム費用 685万円
デザインリフォーム時期 2012年6月
デザインリフォーム期間 1.5ヶ月間
  • リフォーム前
  • デザインリフォーム後

浴室や水まわりを広くしたり、収納を増やしたり、南庭にウッドデッキを新設したりと、暮らしやすさ、快適性を高めました

壁の色、サッシや戸袋や笠木の色などがバラバラでまとまりのない「よくある家」をスッキリデザインにリフォーム。アンティークな玄関ドアは施主様のご支給

玄関は北面ということもあり、敢えて開口を控えめにし、断熱性もアップ。天井まであるシューズボックスを新設

玄関ホールの床は無垢パイン材のオスモ(自然素材)塗装に

LDK床も無垢パイン材のオスモ(自然素材)塗装に張り替え。流し台は既存設備を利用し、棚を造作

南庭には、リビングから段差無しにつながるウッドデッキを新設

リビングのドアもレトロ・アンティークに。扉右手の出っ張りは広くなった浴室。扉左手の、幅1間半あった押入は、ロールスクリーンの奥に隠し、一部を洗濯機置き場に変更。暮らしやすさが大きくアップしました

子供部屋(room2)は収納スペースを新設。一部の窓を塞ぎ壁に。床と扉は既存品を流用

和室は床の間を収納に変更。ロールスクリーンで区切ります。床は無垢フローリングに

ふすまは木製の引戸に変更。柱などの木部やサッシは同系色に塗装し、デザインされた落ち着いた雰囲気に

浴室は位置を移動しました。ユニットバスにすることで冬場の寒さ対策にも

既存設備を利用しつつ、床などを変更しイメージを一新

お施主様支給の洗面台とミラー。レトロ感のある仕上がりになるように、棚受け金具やタオル掛けなどをチョイスしました